美男と野獣
前巻で薪×青木×雪子の壮絶な三角関係を描いた、清水玲子『秘密-トップシークレット-』。
2月末に6巻が発売になりました。
本誌『メロディ』を読んでないので(だって縛られてるんだもん)、全然内容知らずに購入。
てっきり、また読んでるこっちの胃がキリキリしちゃうような三角関係+エログロ社会派サスペンス(どんなマンガだよ…)が繰り広げられてるのかと思ったら、違いました。
今回のお話は3年前の第九が舞台。
貝沼事件(連続少年殺人事件)の捜査で同僚を失い、親友を自らの手で殺した(正当防衛)薪。
彼がただ一人残された第九に、3年後には薪の右腕的存在となり、新星青木にちょっと嫉妬したりもする岡部が配属になるお話。
もともと捜査第一課、現場で泥臭く粘り強い捜査で活躍していた岡部が、死者の脳を再生するという真逆の捜査方法で何事件を解決する第九に、大人の事情で配属となる。
当然、第九に反発を覚える岡部は、見た目は綺麗なのに誰よりも傍若無人な薪のやり方にも当初は反発する。
しかし、ある事件をきっかけに考え方が変わり、第九とは何か気づき始めていくのだった。
キター!岡部さん!!
とにかくその絵の美しさで、綺麗な男を描くのが(たぶん)大好きな清水玲子だけど、この人は間逆のこういう無骨でむさい男を描くのも大好きだよねー。
『輝夜姫』の高力士とか!何気に一番かっこよかったもんね。
『秘密』でも、1巻から腐女子的関係を見せ付けてきた薪×青木の後ろで、生き生きといい味出してるのがこの岡部さんなのだ。
その岡部さんと薪さんの過去が明らかになったわけだが…
いやぁ、もう…実は青木も知らない薪さんの"弱さ"を知ってるのが岡部なのねぇ。
薪さんが、その後、第九と言う組織を成立させてこれたのは、この人がいたからだということが判明してしまった。
"美女と野獣"ならぬ"美男と野獣"で、もー、これでもかってほどおいしい役回りに描きましたね、清水さん!(笑)
そのでかい図体と三白眼で、時に笑いを誘いつつ、薪さんの凄さと弱さを読者と一緒に体感する岡部さん。
美しくは無いから、現実感たっぷりにすっとぼけてるから、共感できるすっごく愛らしいキャラクターに描かれてます。
モチーフとなった事件は、今回も現実社会にリンクしたもの。
通り魔殺人が行われた背景にある、老人介護、精神倒錯…
何もかもをバッサバッサと善悪切り捨てていく世の中で、その背景にあるかもしれない物語の可能性を掬っていく必要があると、ストーリーをエンタテインメントとして楽しみながら、考えさせられます。
というわけで、今回も面白かったのだが、頭の中でこれでもかとギスギスした話をイメージしてたもんだから、ちょっと物足りない…。
とか思ってたら、本編の後に特別編「Copy Cat」。
こちらは期待通りのドロドロな展開。
短いのに、何、この重量感。
早く、次が読みたーい!!(でも、『メロディ』は購読しません。爆)
こちらでも岡部さんがいい味出してます。
ほんとにね、清水玲子の、すーーーごい綺麗に滑らかなタッチで美男美女を描いておいて、その隣に岡部とか高力士みたいなゴツイ人をサラッといい感じで描けちゃうギャップが好き。
まあ、文句を言うなら、デッサン力がちょっと落ちてるのと、薪さんがどんどん耽美系キャラになってるところ。
いや、まあ最初から女の子みたいな年齢不詳の警視正というむちゃくちゃな設定で、耽美系ではあるんだろうけど…
だけど、美しく描くことに酔ってんじゃないかな~?と思ってしまうカットが増えてるように感じてしまうもので…。
まあ、この人は昔からだけどさ…女の子ならいいんだけど、男だと…ほら、わしBLとか得意じゃないから…。
そうは言ってもカラーはやっぱり綺麗だよなぁ…。
しかし…前巻も『秘密』と同タイミングで発売だった浦沢直樹『PLUTO』の新刊も一緒に買ったら、本格的に本棚がいっぱいになってしまったよ…。
やっぱり売るか実家に持って帰るかしなきゃだめか。
マンガも小説も選抜するならするで時間がかかりそうだ(汗)
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